【所縁の史跡】老尾神社(千葉県)

 

■ 老尾神社 [地図]

千葉県匝瑳市生尾に鎮座する、老尾神社です。
匝瑳高校の東側に位置します。

『延喜式』神名帳の下総国匝瑳郡に、「老尾神社」がみえます。

崇神天皇の七年に、神田を賜り、祭祀が始まったと伝えられます。
南北朝時代の正平二十四年には、火災にあったため、千葉介満胤が再建したといいます。

祭神は、阿佐比古之命、国常立之神、磐筒之男神、磐筒之女神です。
阿佐比古之命は、経津主命の子神といいます。

祭神には、物部小事連をあてる説もあります。
小事は、『旧事本紀』天孫本紀に宇摩志麻治命の十二世孫としてみえます。
物部木蓮子連の弟(布都久留連の子)で、志陀連、柴垣連、田井連らの祖とされます。

『続日本後紀』承和二年三月十六日条に、物部小事は、陸奥鎮守将軍の物部匝瑳連熊猪らの先祖で、坂東を征した功績によって匝瑳郡を建郡したとあります。
この物部匝瑳氏が、始祖を祀ったものと考えられるようです。

志陀連の志陀は常陸国信太郡のことで、『続日本紀』に信太連・物部志太連として見える氏と同じと思われます。小事は、関東の物部氏の祖として有力だったようです。

社殿の後方左側には、市指定天然記念物の神木杉があります。
かなりの大木です。

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