【所縁の史跡】橘樹神社(神奈川県)

 

■ 橘樹神社 [地図]

神奈川県川崎市高津区子母口に鎮座する旧村社、橘樹神社です。

『和名抄』に見える武蔵国橘樹郡五郷のひとつ、橘樹郷は、この一帯に比定されています。

祭神は、日本武尊と弟橘媛命です。

橘樹・橘花の名義について、『古事記伝』の田道間守が常世から持ち帰ったという非時香菓=橘を掌る橘守氏の所縁の地かという説のほか、日本武尊の妃・弟橘媛の名代部的なものが置かれたためとする説がありました。

安閑紀元年閏十二月に、同族の小杵と武蔵国造の地位を争った笠原直使主が朝廷に奉ったことが見える、「橘花」の屯倉も、旧橘樹郡内に置かれたものと考えられています。
御宅郷は橘樹郷の南方に隣接していたようです。

日本武の松…というものが境内にありました。


■ 富士見台古墳 [地図]

橘樹神社から北へ200mほどのところにある、子母口富士見台古墳です。
径17.5mの円墳です。上の写真は東側から撮影したものですが、かなり削られてしまっています。

この古墳を、弟橘媛の墓とする伝説があります。

『江戸名所図会』は、海上で災いにあった弟橘媛の遺品を土中に埋めた旧跡は、神社から東へ200mほどのところにあるとします。
現社地からだと、子母口貝塚のあるあたりですが、何か古い時代の物が出土したことでもあったのでしょうか。

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