【所縁の史跡】鳥取山田神社(三重県)
■ 鳥取山田神社 [地図]
三重県員弁郡東員町山田に鎮座する、鳥取山田神社です。三岐鉄道北勢線の東員駅から南に七〇〇メートルほどのところです。
『延喜式』神名帳の伊勢国員弁郡に、「鳥取山田神社」がみえます。
祭神は、角凝魂命、天照大神、大山祇命、誉田別命、稲倉魂神、火産霊神、須佐之男命、菅原道真公。
御巫清直『伊勢式内神社撿録』をはじめ、社号の「鳥取」は姓氏、「山田」は地名と考えられています。
『姓氏録』右京神別に鳥取連氏は、角凝魂命の三世孫・天湯河桁命の後裔であるといいます。
祭神の角凝魂命は、これを根拠にあてられたようです。
明治四十一年に近隣の十四社を合祀しています。
天湯河桁(天湯河板挙)命は垂仁紀に鳥取造の始祖としてみえ、誉津別王に関係して鳥取部の起源が語られる伝説があります。鳥取造は、天武十二年に連の姓を賜りました。
その鳥取氏が、鳥取部を管理する職掌を負っていました。鳥取部のひとつは、当地一帯にも置かれていたと見られます。
員弁郡には猪名部氏の奉ずる猪名部神社があり、隣りの朝明郡には穂積氏の穂積神社、殖栗氏の殖栗神社があります。
鳥取部は、捕鳥部万が物部守屋大連に仕えていたことから見ると物部氏との関係が強く、これら物部氏族と同時期に、北勢地方へ進出してきたのではないでしょうか。
のちには、『神鳳鈔』にみえる山田御厨も当地に置かれました。