【所縁の史跡】恩智神社(大阪府)
■ 恩智神社 [地図]
大阪府八尾市恩智中町に鎮座する、恩智神社です。
『延喜式』神名帳の河内国高安郡に、名神大社「恩智神社二座」
が見えます。
祭神は、大御食津彦命、大御食津姫命。
鳥越憲三郎氏は、弥生時代に物部氏が饒速日命を氏神として祀るようになる以前に奉斎していた、原初的な生産の神ではないかと推測されています。また、部民制がはじまって「物部」を称する前の集団名も「オチ」「ヲチ」(恩智、邑智、越智、小市)だったとされますが、どうなんでしょうか。
拝殿は平成十二年に改築されたのでまだ新しいですね。
本殿は、右側が大御食津彦命を祀ります。
中臣氏の祖神・天児屋根命の、五世孫という神だそうです。
左側が大御食津姫命。
豊受姫命と同一神と解釈されます。
本殿の後方左側に、横穴式石室が開口しています。
隣接して神宮寺だった感応院があります。
真言宗のお寺です。
本尊の絹本著色不動明王像は府の文化財。
さらに観音堂の木造十一面観音立像は平安時代のもので、国の重要文化財です。
■ 天王の森 [地図]
旧社地「天王の森」。恩智神社から近鉄恩智駅へ向かって降っていく途中にあります。
住宅地に囲まれた広場です。祇園社があるので、「天王」は牛頭天王のことでしょう。
このあたりが恩智遺跡の中心地でもあります。
1943年に立てられた石碑があります。
縄文前期~弥生時代の遺物が出土しています。
参考:
鳥越憲三郎『大いなる邪馬台国』
鳥越憲三郎『女王卑弥呼の国』