【所縁の史跡】意賀美神社(大阪府)

 

■ 意賀美神社 [地図]

大阪府枚方市枚方上之町一丁目に鎮座する、意賀美神社です。
『延喜式』神名帳の河内国茨田郡に、「意賀美神社」があります。

もとは南に100メートルほどの伊加賀の宮山にありましたが、明治四十三年に現在地に遷り、ここにあった須賀神社と、岡の別子山にあった日吉神社を合祀しました。

伊加賀の地名は『和名抄』の郷名に「伊香(以加加)」があり、古くからのもののようです。

主祭神は高龗神。
素盞嗚尊、大国主神、大山咋神を配祀します。

開化天皇の時代には、この地にあった物部氏の祖の伊香色雄命と伊香色謎命(開化后)の姉弟の邸内に祀られていたと伝えられています。

現社地は万年寺山といいます。前期古墳と見られる万年寺山古墳がありましたが、その名のとおり古くから寺院が建てられるなどしたため、すでに全壊しています。

↓境内の末社・琴平神社です。

同じく境内の稲荷神社です。

万年寺山古墳の墳丘全長は推定100メートルほど。

明治三十七年の、隣接する小学校の運動場の拡張工事中に発見された八面の鏡のうち、六面が三角縁神獣鏡でした。
同型鏡・同笵鏡によると、静岡県から福岡県までの古墳とつながりがあるように見られます。


■ 鷹塚山遺跡 [地図]

意賀美神社から南に700メートルほど行ったところが鷹塚山です。
前方後円墳と見られたこともありましたが、丘陵上にいとなまれた弥生時代終わりころの高地性集落遺跡です。
出土した分銅型土製品は、吉備との通交を示すといいます。

鷹塚の地名は、文徳天皇の皇子の惟喬親王が、愛鷹を葬ったことに由来すると伝えられています。

 

天璽瑞宝トップ > 所縁の史跡 > 意賀美神社