【所縁の史跡】櫛玉比女命神社(奈良県)

 

■ 櫛玉比女命神社 [地図]

奈良県北葛城郡広陵町弁財天に鎮座する、櫛玉比女命神社です。
『延喜式』神明帳の大和国広瀬郡に、「櫛玉比女命神社」がみえます。

高田川を挟んで、葛城氏の奥津城ともいわれる馬見古墳群の中群と向かい合う位置にあります。

境内には、全長約30mの櫛玉媛神社古墳があります。
前方部を西に向ける前方後円墳で、一部が削平されつつも、本殿は墳丘の上に建っています。

「弁財天」の通称が地元住人に間にはあったそうで、鎮座地名にもなっています。

社号から女神が祭神と見られる「櫛玉比女命神社」を比定する上で、弁財天は結びつけられやすかったといえます。

祭神は櫛玉比女命。
『大日本史』は、物部氏の祖神・櫛玉饒速日命の妻である御炊屋姫をこれにあてています。
伊予国風早郡の櫛玉比売命神社と同様の考察がされているわけですが、風早ほどには物部氏との関係が明確ではありません。

境内社には、八幡社、白山社などがあります。

↓市杵島姫命を祀る弁財天社(厳島神社)。
『式内社調査報告』によると、社務所兼神職宅の邸内社だったらしいです。
吉野郡天川村の天河大弁財天社を、鎌倉時代に当地に勧請したともいわれます。

櫛玉比女命神社の例祭は「戸閉まつり」と呼ばれ、宵宮には氏子各集落より地車が出されるそうです。

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