【所縁の史跡】矢田部神社(京都府)

 

矢田部神社 [地図]

京都府与謝郡与謝野町石川に鎮座する矢田部神社です。
『延喜式』神名帳の丹後国与謝郡に、「矢田部神社」があります。

祭神は、伊香色雄命。
『神名帳考證』は武諸隅命とします。ともに矢田部氏の祖にあたります。

『旧事本紀』天孫本紀によれば、物部武諸隅連公の祖父が伊香色雄命にあたります。武諸隅連公の孫の物部大別連公が矢田部連公の氏姓を賜ったとされています。大別連公の姉の物部山無媛連公が応神天皇との間にもうけた矢田皇女は仁徳天皇の皇后になったものの、子供が生まれなかったので後世に名を残すため子代の矢田部が設けられ、その管理者に大別連公が任じられたという矢田部氏の創始伝承です。

伊香色雄命は、『新撰姓氏録』左京神別の矢田部連や摂津国神別の矢田部造、河内国神別の矢田部首などの祖として見えます。

苔むした手水鉢と、手作りらしい竹製の柄杓が印象的でした。

現社殿は、天保十四(1843)年に建てられたことをあらわす棟札が所蔵されているとのこと。

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