【所縁の史跡】物部神社(京都府)
■ 物部神社 [地図]
京都府与謝郡与謝野町石川に鎮座する、物部神社です。
『延喜式』神名帳の丹後国与謝郡に、「物部神社」が見えます。
この一帯は、『和名抄』にある丹後国与謝郡物部郷の比定地でもあります。
鳥居にかかる「物部社」の額は、正二位清原宣光の書と記されています。
南北に伸びる、あまり大きくない谷が参道になっています。
谷の突き当たりに二等辺三角形の山影の山があり、山を背負うような位置に神社があります。
祭神は、物部氏の祖の宇摩志麻遅命。
一説には、武内宿祢の子で蘇我氏の祖の蘇我石川宿祢ともいいます。鎮座地名との関係で付会されたものでしょう。
覆屋のなかの本殿は江戸中期に造営と伝える、向拜付きの権現造。
欅(けやき) 材が用いられているそうです。
拝殿を置かない形なので、間近に拝むことができます。
ご神体は鏡だそうです。
ほかに、左大臣・右大臣と呼ばれた木彫り坐像が神像としてあったといいますが、現存しません。
本殿の正面の扁額。
「物部大明神」とあります。
天明五(1785)年、日野資枝の筆によるもので、もとは鳥居にあがっていたとか。