【所縁の史跡】大山積神社(愛媛県)

 

大山積神社 [地図]

愛媛県今治市大三島町宮浦に鎮座する、大山祇神社です。
大三島へは、今治市街からバスで行くことができます。

『延喜式』神名帳の伊予国越智郡に、名神大社「大山積神社」がみえます。

境内の中央にそびえる「小千命御手植の楠」です。

祭神を大三島に勧請したと伝えられる、小千命によって植えられたものといい、その時代は神武東征以前に遡るそうです。
このほか、境内の楠木群は国の天然記念物に指定されています。

祭神は大山積神です。

『釈日本紀』の引く『伊予国風土記』逸文に、「御島にいらっしゃる神の御名は大山積神、またの名は和多志の大神である。この神は仁徳天皇の御世に顕現された。この神は百済の国から渡っておいでになり、摂津国の御島においでになった」という記述があります。
和多志(わたし)=渡海の神としての性格を持っていたことがわかります。

本殿(右)と下津社(左)。奥には上津社があって、 丹塗屋根檜皮葺の美しい社殿が並んでいます。

創建には諸説ありますが、初め推古二年に大三島の南東の逈戸浜に社殿が造営され、その後現在地に遷座、十六年の歳月を要して社殿を完成させ、養老三年に遷宮の儀が執り行われたといいます。
現在の本殿は、天授四年建立され、改修・修理を経たものと伝えられます。

「安産祈願」ののぼりが立つ姫子邑神社です。

本社の真後ろに位置します。大山積神の子神である木花開耶姫命と、その子神二柱を祀ります。

手前から石神社、稲荷神社、地神社、院内荒神社。

十七神社です。

諸山積神社や大気神社、千島神社などに二十一座を祀ります。社殿は県の重要文化財、神像のうち十七体は国指定重要文化財です。

葛城神社・祓殿神社・伊予国総社です。

合祀されてひとつの社殿に祀られているそうです。

御鉾神社です。

大山積神の荒魂が姿を取った「天逆鉾」を祀ります。神体は穂先の両側に小鈎がついた剣といいます。

御棧敷殿。

河野氏に出自を持つ、時宗の開祖・一遍上人が奉納したという宝篋印塔です。

隣接の国宝館・紫陽殿は刀剣や甲冑を中心に、多数の美術品を展示しています。
国宝の斉明天皇奉納という禽獣葡萄鏡や源義経奉納という赤絲威鎧大袖付などが有名です。河野氏ゆかりの品々も多くありました。


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