【所縁の史跡】麻気神社(福井県)
■ 麻気神社 [地図]
福井県南条郡南越前町牧谷に鎮座する麻気神社です。
『延喜式』神名帳の越前国丹生郡に、「麻気神社」がみえます。
ほかには、越前市牧町の酒列神社や丹生郡越前町の麻気神社が論社と見られているようです。
祭神は、奇玉饒速日命、大御気津姫命、菅原道真公。
越前国内神名帳に見える「従五位 目開神」がこの神社の神と考えられています。
社伝に、継体天皇が諸臣の請いに応じて帝位につこうとしたとき、妃の麻績娘子を、故あって当地に残すことになったといいます。
しかし妃は長く病床に臥し、療薬は効果なく、天皇はこれを憂いて快癒を櫛玉饒速日命に祈念したところ、たちまち病は全快。
よって社堂等も新営され、勅使の代参もあったとされます。
社号「麻気」は、麻績娘子の病気快癒を祝い、妃の名から「麻」と、病気の「気」を取って、継体天皇が贈ったものといいます。
鎮座地名の牧谷も、社号と関連づけられて見られているようです。