【所縁の史跡】金神社(岐阜県)

 

 金神社 [地図]

岐阜県岐阜市金町五丁目、岐阜の市街地に鎮座する、金(こがね)神社です。

『三代実録』の貞観十一年十二月二十五日条に、美濃国の正六位上金神が、従五位下の神階に昇ったことみえます。

美濃国内神名帳にも、厚見郡十八座の一つとして、正三位金大神がみえます。

現在の主祭神は、渟熨斗姫命。『日本書紀』に、景行天皇の娘、渟熨斗皇女がみえます。
社伝には、伊奈波神社の五十瓊敷入彦命の妃とされます。

五十瓊敷入彦命には奥州平定に遣わされたものの、その成功を嫉まれ謀反の讒言を受け、朝敵として当地で討たれたという伝説があるそうです。

渟熨斗姫命は、夫君を慕って都から下向し、人民を励まして地域開拓・発展に寄与したことから、後に財をもたらす神として信仰されるようになったといいます。

本殿の背後に回りこむと、摂社末社がずらりと並びます。

摂社のひとつが「物部神社」です。

美濃国内神名帳には、伊奈波神社に合祀されている式内物部神社(物部明神)とは別に、「物部財公明神」「物部財主神」が厚見郡にあったことが記されていますが、それとの関係はよくわかりません。

そして、摂末社群の東(右)端に祀られているのが、賀夫良城(かぶらぎ)です。

「志賀高穴穂朝の御代、物部連の祖出雲大臣命の孫臣賀夫良命を国造に定め賜ふ。」
…『先代旧事本紀』国造本紀が三野後国造の始祖とする、臣賀夫良命(おみかぶらのみこと)の墓所だといわれているのが、この賀夫良城です。

市指定の史蹟になっているようでした。
ちなみに、神社の東側に隣接して、「蕪城町(かぶらぎちょう)」という地名もあります。

この物部臣賀夫良命が国府をこの地に定め、金大神を崇敬したとされています。

↓金高椅神社です。祭神は膳臣の祖、磐鹿六雁命。
昭和五十六年に栃木県小山市の式内社・高椅神社から分祀したそうです。

同じく、社殿の裏手にある「おもかる石」。
願い事を祈念し石を持ち上げて、そのとき感じる重さが自分の予想したよりも軽ければ願い事がかない、重ければかなうのは難しい……という試し石だそうです。

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