【所縁の史跡】布都神社(愛媛県)

 

布都神社 [地図]

愛媛県西条市石延に鎮座する布都神社です。道路沿いに小さな境内があります。

『延喜式』神名帳の伊予国桑村郡に「布都神社」が見え、『日本三代実録』天安二年十月二十二日には伊予国の正六位上布都神に、従五位下の神階を授けたことが見えます。

当地は『和名抄』に見える、桑村郡津宮郷の中にあり、津宮とは布都宮のことを指すとする説もあるようです。

祭神は、主神の布都主神のほか、武布都蛇麁正剣、武甕槌神、天照皇大神、神日本磐余彦命、倭武命、高倉下命を配祀します。
社伝には八神を祀るといい、境内の案内板によると、残る一柱は「秘密祭神」とのこと。

鎮座地の石延は石上が転訛したものかともいわれ、神社はかつて石上布都大明神、石上里大神と別称されたといいます。 大和国の石上神宮と同じ神を祀るためかと思いますが、当社の創祀にも物部氏族の関与を想定すべきでしょうか。

付近に「神田」「大門」の地名が残るため、もともとの鎮座地は、現在地より南に400~500mのところにあり、さらに北東900mほどのところに大門を持つ、壮大な神域を保有していたとの見解もあります。

中世には社殿を焼失したり、神領を没収されたりして衰微したと伝えます。慶長年間に小祠を再建し、享保二(1717)年に、松山藩主と郡内の寄進によって社殿が造営されたといいます。

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