【所縁の史跡】石船神社(新潟県)

 

石船神社 [地図]

新潟県村上市岩船三日市に鎮座する、石船神社です。

『延喜式』神名帳の越後国磐船郡に、「石船神社」が見えます。

祭神は、饒速日命、水波女命、高靇神、闇靇神。

饒速日命は石船に乗って当地に上陸し、各種技術を伝えた地域振興の神とされます。
『特撰神名牒』は、「其御船海底にありと云るも由あり 姑附て考に備ふ」とします。祭神の乗っていた石船が、日本海に沈んでいるという伝説でもあったのでしょうか。

『日本書紀』は大化四年に蝦夷に備えて岩舟柵を設けたことを記しますが、社伝によると、このときすでに石の小祠があったとされています。
その後、大同二年に秋篠朝臣安人が北陸道観察使として下向した際に、貴船神社の祭神を勧請し、水波女命・高靇神・闇靇神も祀られることになったといいます。

祭神を饒速日命とすることについて、地名・社名の磐舟(石船)から、単純に付会させたとの見方もできますが、『式内社調査報告』のように、征夷の軍事的意義から軍神武神を祀るようになったとする、城柵の設置と神社の成立を関連づける見解もあります。

拝殿の前にある遥拝所です。
岩船港を一望できます。
私が参拝したときには、ちょうど粟島からのフェリーが入港するところでした。

境内社が多いです。
明神権現社は、本社の左手(西側)に階段があります。

そのほか、古峯大神、大己貴神、大山祇神などが祀られます。
若山神社の社殿は、寛政八年の建立らしいです。金毘羅社を合祀しています。

屋台倉庫(下写真)。祭礼の岩船まつりは、神輿と御舟をはじめとする屋台(しゃぎり)の絢爛華麗な行列で知られます。県の無形民俗文化財にも指定されています。

磐船招魂社です。境内地にありますが、駐車場の右手、本社へ至る参道を通らないところにあります。

招魂社の隣りに、「磐船柵址」の碑があります。磐舟柵の具体的位置は明らかではありませんが、当社北方の丘陵地帯かともいわれています。

社叢は県の天然記念物に指定されています。
ヤブツバキの群生地として貴重だそうです。

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