【所縁の史跡】伊奈波神社(岐阜県)
■ 伊奈波神社 [地図]
岐阜県岐阜市伊奈波通の伊奈波神社です。
社殿へは、緑豊かな長い参道を上がって行きます。
六国史における神階は、
『続日本後紀』承和十二年七月辛酉条に、美濃国厚見郡の無位伊奈波神に従五位下を、『三代実録』貞観十一年十二月五日戊子条に、従五位上伊奈波神に正五位下を、同元慶四年十一月九日己未条には、正五位上伊那波神に従四位下を、授けたことがそれぞれ見えます。
『三代実録』元慶二年九月十六日条にある「美濃国正五位下否間神」も、この神でしょうか。
美濃国内神名帳にも、「正一位伊奈波大神」の名が見えます。
また、『延喜式』神名帳の厚見郡に見える「物部神社」を合祀することでも知られます。
主祭神は垂仁天皇の皇子、五十瓊敷入彦命。
配祀神は、淳熨斗媛命、日葉酢媛命、彦多都彦命、物部十千根命です。
淳熨斗媛命は景行天皇の皇女で、社伝に五十瓊敷入彦命の妃とされます。
彦多都彦命は、『旧事本紀』国造本紀の稲葉国造条にその名が見えます。
彦坐王の子であり、同様の系譜を持つ『記』『紀』の“比古多多須”美知能宇斯王(丹波道主王)と同一視されたようです。つまり、日葉酢媛命の父で、五十瓊敷入彦命の外祖父ということになります。
景行天皇十四年に、現在の岐阜公園丸山の地に創祀し、天文八年に斎藤道山が稲葉山に城を築く際、現在地へ遷座したといいます。
↓境内の黒竜神社です。高靇神を祀ります。
伊奈波神社が遷座する前から、当地の守護神だったとされています。