【所縁の史跡】物部神社(富山県)
■ 物部神社 [地図]
富山県高岡市東海老坂に鎮座する、物部神社です。
氷見に向かう国道160号線の沿線から、やや西に外れたところに位置します。
『延喜式』神名帳の越中国射水郡に、「物部神社」が見えます。
祭神は宇麻志摩遅命。
また応神天皇も併祀されており、物部八幡と通称された時期もあったようです。
守山城にあった前田利長の崇敬は厚く、慶長四(1599)年に金沢城へ移る際には、当社の八幡神の分霊を金沢城の鬼門にあたる卯辰山へ守護神として勧請したといいます。尾山神社です。
社伝に、崇神朝の大彦命による北陸巡撫の際、物部氏の一族も従ってきており、大彦命が帰京した後も当地に留まって鎮護の任にあたった人々によって創祀されたといいます。
また、天平年間に至り、大伴家持が国司として赴任したときに随行してきた物部氏族たちが、この地に我等の氏神が祀られてあるとして喜び崇敬したとされます。
国道を挟んで東の一帯が海老坂古墳群のある山地で、社地からも鉄剣などが出土しているそうです。
元は同じ海老坂地域内の烏帽子山に鎮座し、さらに往古は氷見市との境の山上にあったと伝えます。
どこか遠い目をした狛犬がいます――